いえばよかった日記

書評と創作のブログです。

2021-01-01から1年間の記事一覧

未だ描きえぬ肉声——佐藤厚志『象の皮膚』について

「暴力」という言葉はしばしばその内実を曖昧にぼかされたまま口にされる。物理的な暴行であれ性的な加害であれ、あるいは言葉によるものであれ、思い返してみるといつ誰にどのようなことをされたのかという被害体験を詳らかに語られることは意外なほど稀だ…

2000字書評コンテスト『講談社文芸文庫』応募作品

僕も参加していた2000字書評コンテスト 『講談社文芸文庫』結果発表|コンテスト|NOVEL DAYSの結果が発表されました。 残念ながら僕は落選してしまったので、今回は応募した作品をこちらのブログに掲載します。 他者をめぐって——柄谷行人「意識と自然」につ…